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EVIDENCE

調査・研究

雌マウスを用いた皮膚単回投与刺激性試験

<試験報告書番号:第20092301号 2020年9月23日>

<検体:非電離型微酸性次亜塩素酸水溶液>

<表題:雌マウスを用いた皮膚単回投与刺激性試験>

<はじめに>

皮膚一次試験とは、そもそも複数回の被曝によって起こる感作反応を含まない、化学物質が皮膚にどの様な純然たる刺激を与えるかを知るための試験である。しかるに、次亜塩素酸は飲み水等に広範に利用されていることから、実験動物が既に被曝し、感作されている蓋然性を否定できないことに鑑み、一次刺激試験を、感作反応を除くために胸腺のないヌードマウスで行い、その結果を補完すべく、感作反応も出現しうるヘアレスマウスによる単回投与試験を行い、その両者を考え合わせて、蓋然的な皮膚一次試験とした。ヌードマウスを用いた皮膚一次刺激試験は既に実施し、無刺激であることを報告しており、今回は、ヘアレスマウスを用いて被曝による感作形成の危険も含んだ状態での単回皮膚投与刺激試験を実施した。

<試験方法詳細>

1.使用動物:8週齢HR-1へアレスマウス(雌)5匹 三協ラボサービス株式会社から購入
2.投与方法:24時間クローズドパッチ法
3.検体:商品名「ジアグリーン」を用いて生成した非電離型微酸性次亜塩素酸水溶液
(1)有効塩素濃度70ppmの水溶液 (2)有効塩素濃度140ppmの水溶液 (3)有効塩素濃度280ppmの水溶液
(4)有効塩素濃度560ppmの水溶液
4.手技:
(1)パッド付絆創膏に検体0.05mLを投与し背部貼付する
(2)貼付後24時間閉塞貼付する。
(3)24時間後に絆創膏を除去し、30分後にドレーズの基準に基づいて皮膚反応を判定する。
(-):無反応 (±):微弱な紅斑または疑わしい紅斑 (+):明らかな紅斑を伴う反応 (++):丘疹または浮腫を伴う反応。

<試験結果>

単回非投与試験においても刺激発現はヌードマウスを用いた皮膚一次刺激試験同様認められず、被曝可能性を含んで考えても、560ppm以下の非電離型次亜塩素酸の皮膚一次刺激性は極めて低いものと思料する。

試験終了後写真:

判定:

すべてのマウスについて、紅斑、丘疹、浮腫などは認められない。

(ー)無反応と判定する。